英国ヴァージン・アトランティック航空(Virgin Atlantic Airways)が、
30周年を迎えるにあたり、ヴィヴィアン・ウエストウッドとのコラボによる
新しいユニフォームを制作。今年7月に新ユニフォームがお披露目されました。
新作のユニフォームの特徴は、美しいカラーリングとサスティナビリティ。
素材にはペットボトルをリユースし、ナノ加工を施したポリエステル繊維が使われています。この素材は耐久性が高く、型くずれなどを起こしにくいそう。
女性の客室乗務員用のデザインは、
ヴィヴィアンが90年代に発表した「ベッティーナ・ジャケット」からインスパイアされたスーツ。
ジャケットはバストラインにプリーツがほどこされ、ウエストがシェイプした女性らしいシルエットに。
スカートは前から見るとシンプルなのに、後ろ姿はダーツとダブルプリーツでとてもセクシーという、ひとひねり加えたデザイン。
同社を象徴する鮮やかな「ヴァージン・レッド」が採用され、トータルなイメージはヴィヴィアンらしいフェミニンなスタイルになっています。
40年代のフランスのクチュールデザインを彷彿とさせるカッティングが美しいダブルのドレープコートもあり、こちらもとってもエレガント。
ちなみに、赤い制服と言えば、ヴァージン・アトランティック航空を傘下に置く
ヴァージングループの会長であるサー・リチャード・ブランソン氏(2000年にナイトの称号を賜っています)には、おもしろいエピソードが。
2010年にF1レースに参戦したサー・ブランソン。同じく参戦していたエアアジア・グループのCEOであるフェルナンデス氏と、ランキングでどちらが上位になるか賭けをしたそう。その賭けに敗れたペナルティとして、サー・ブランソンは昨年の5月にエアアジアのフライトに客室乗務員として一日搭乗。エアアジアの女性客室乗務員の真っ赤な制服に身を包み、ばっちりメイクまで施して! これはイベント化されたのか、マスコミの前で生着替え&メイクをしたみたいです。ネットで検索すると、ノリノリのサー・ブランソンの動画や画像が見つかりますよ(笑)。結果的にいいプロモーションになったのではないでしょうか。
余談はさておき、次はメンズのユニフォームの話を。
男性客室乗務員用は、名門紳士服テーラーが軒を連ねるストリート「サヴィル・ロウ」をイメージしたというボルドーのオックスフォード織りウールを使ったスリーピース・スーツ。
とてもシャープかつ洗練された仕上がりになっています。
英国紳士風のジェントルマンが機内でサービスしてくれるなんて、女性客にとってはうれしい限りですね。
グッズ類では、ヴァージン・アトランティック航空のアイコンである手書きの羽がデザインされたバッグやヴィヴィアンのブランドの「アワーグラスヒール」をアップデートしたシューズも。
客室乗務員用のほか、パイロットやグランドホステス用など合わせて22種類の新作ユニフォームは9月1日からの登場になるそうです。
ヴィヴィアン・ウエストウッドと言えば、2月にラフォーレ原宿に「ヴィヴィアン・ウエストウッド アングロマニア」が国内初の旗艦店をオープン。
ファッションアイテム以外にホームウエアやクッションなどの生活雑貨も取り扱っています。コーヒー豆の袋をリユースしたトートバッグや靴下などを縫い合わせたぬいぐるみ「ソックア・アニマル」など、ヴァージン・アトランティックのユニフォーム同様にサスティナブルなポリシーが感じられるラインナップとなっています。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは、東日本大震災のとき、フェイスブックを通じて日本への義援金を募ったり、直筆のメッセージやチャリティTシャツの販売などで復興支援のサポートをしてくれました。
2014-15秋冬のコレクションで環境保護を意識したという深いグリーンを多用するなど、かつては「パンクの女王」と言われたヴィヴィアンも、最近では良識のあるセレブとしての生き方をセレクトしているようです。