パワーアップする「マインドカラ―とは」

色には、それぞれの人の肌や髪の色など外見の特徴にマッチしたパーソナルカラーがあることは解説しました。実は色には別の側面があります。それは、他人には見えない内面の色。個人の考えかたや行動と、色とは心理学的に密接なつながりを持っているのです。それはマインドカラ―と呼ばれます。

マインドカラーの解説の前になぜ、色が人間に影響を与えるのかについて、簡単に説明しておきます。人はふだん、色を無意識に見ていますが、そこから多様なメッセージを受け取ってもいるのです。強い影響力を持つ色としてあげられるのが、赤。たとえば、信号の赤や道路工事の標識、激安セールのチラシなど人の注意を引きたい場合や危険を知らせたい場合に赤がよく使われているのは周知の事実。理由は赤が人に対して強い影響力を持つ色とされているからです。千々岩英彰氏は「赤い照明に照らされると血圧が上昇したり、体温が上がったり、呼吸や脈拍が速くなったりするといわれている。つまり、人間の交感神経に作用してエネルギー代謝を盛んにするということになる」と著書で解説しています。赤とは逆の作用を持っているのが、青。「青系統の寒色に照らされると、血圧や体温は低下し、呼吸や脈拍がゆっくりしたものになる。副交感神経に働いてエネルギー代謝を抑制するわけである」としています。1958年、アメリカの心理学者R・ジェラードが行った実験でも同様の結果が得られています。実験では赤や青の光を被験者に当て、どのような反応が見られるかを調べたそうです。その結果、赤い光では被験者の血圧が上昇し、呼吸数・心拍数・脈拍数・まばたきの回数などが増え、青い光の場合はすべて赤とは逆の反応を示したとか。

このように色を見るだけで人の気持ちにはいろいろな変化が起きるわけです。この色の効果を心理的に活用しよう、というのがマインドカラーなのです。マインドカラ―とはつまり内面の色。いつもじぶんが身近に感じていたいと思う色です。パーソナルカラーとは違い、マインドカラーはじぶん以外の第三者に影響しません。マインドカラ―を利用してみても環境や人間関係に必ずしも期待する効果が得られないばかりか、逆効果になるケースもあるので取扱いは要注意。と、いうのもマインドカラーには対人関係と同様、相性があるからです。対面する相手のマインドカラ―があなたと同系色の相手であれば、自然と気が合うので人間関係も構築しやすくなります。これはマインドカラーから得られる良い効果です。ところが、あなたと相手のマインドカラーが赤と青のように対極する色だった場合、無意識下で反発しあってしまい、ぎくしゃくした人間関係になってしまう危険性があります(ただし、お互いが持っていない要素を補うことができるので良いパートナーになる可能性もあるのですが……)。不特定多数を相手にする社会生活においてはマインドカラ―を効果的に利用するのはなかなか難しく、諸刃の剣になりやすいということを留意しておく必要があります。期待に反する影響を相手に与えないようにするには、他人から見えないように身につけるという方法もあります。

結論として、マインドカラーは良好な対人関係の構築に利用するよりも、自身の深層心理に働きかけるサポートとして考えたほうがいいでしょう。では、[表C]を参照の上、マインドカラーをみつけてください。最もチェックの数が多かった色が現在の自身のマインドカラ―、すなわち、あなたにパワーをくれるパワーカラーとなります。

表C マインドカラー(パワーカラー)をみつけよう
パワーカラー

マインドカラ―は自身が思っていた通りの色だったでしょうか。意外な色だったという人もいると思います。ここで補足しておきますがマインドカラ―は永久不変ではありません。そのときどきの心理状態によって変わってきます。今回のチェックで判明したマインドカラーは、現在の環境下において内面が欲している色と考えられます。今後、環境や人間関係などに大きな変化があった場合はマインドカラ―が異なる色になっている場合もあるので、節目節目でチェックしてみてもいいでしょう。

では次に、それぞれの色が持つ意味を記します。

マインドカラ―・それぞれの意味
●レッドがマインドカラーの人= エネルギッシュで活動的。競争心があり意志が強い。
キーワード……意志・決断・行動
●オレンジがマインドカラーの人= まわりを楽しくさせる。創造的で芸術家タイプ。
キーワード……創造・挑戦・協調
●イエローがマインドカラーの人= 明るくユーモアがある。知的で好奇心が強い。
キーワード……知性・自信・思考
●グリーンがマインドカラーの人= 調和を大切にする。目的がはっきりしている。
キーワード……調和・平和・自然
●ブルーがマインドカラーの人= 面倒見がいい。人の助けになることを好む
キーワード……責任・冷静・誠実
●インディゴ/ネイビーがマインドカラーの人= 内に秘めたものを持つ。未来を見通す力を持つ。
キーワード……洞察・判断・威厳
●バイオレットがマインドカラーの人= カリスマ的な存在。芸術的な感性をもつ。
キーワード……品格・信仰・個性

マインドカラーそれぞれの意味を見て「なるほど!」と納得するケースもあれば「そうかなぁ」と違和感を覚えるケースもあることでしょう。あくまで一つの指針ではありますが、潜在的なパワーを得るためのヒントにはなります。

繰り返しますがマインドカラ―は、必ずしも似合う色と同一ではありません。自身が似合う色とは別の色や対極する色がマインドカラーとなる場合、コーディネートの際には注意が必要です。たとえば、パーソナルカラーが「サマータイプ」でマインドカラーが「レッド」だとしたら? 「サマータイプ」の人にとって濃い色や原色はNGカラーなのに赤い色の服をコーディネートしてしまうと、あまりうれしくない効果が得られてしまいかねません。「マインドカラ―の服だから元気になれるだろう」という期待とは裏腹に、外見に対してのマイナス効果を与える危険性もあるわけです。もし、似合わない色がマインドカラ―だった場合、顔色やイメージに影響のないところに秘かに使うことが得策でしょう。たとえば、下着やペディキュアなどでもいいし、バッグの中に入れた小物でもよし。マインドカラ―は人に見せる必要はありません。自分自身が身につけていることがわかっていれば心理面でいい効果が期待できるのです。