ビジネススタイルは、臨機応変に

ビジネススタイルは、臨機応変に
  では、仕事にふさわしい服装というのは、どんなものなのでしょうか。それは、会う人や仕事の目的によって毎日、変わります。「今日は集団のひとりとして初めての会社を訪問するので、あまり目立たないほうがいい」「今日はプレゼンでリーダーシップをとるので、少し目立ったほうがいい」など、具体的なシチュエーションに適応した服装であることが、大前提。そして、会う相手が目上かどうかによっても、服選びは変わります。初対面であれば、相手の情報はごくわずかな場合も多いので、まずは無難なスーツなどがいいでしょう。そして、次回の面談からは相手の立場やキャラクターに合わせていくことをおすすめします。これをコミュニケーション技法では「ペーシング」と言います。つまり、相手の「ペース」に合わせることで心地よさを創出し、好印象を与えるノウハウのひとつ。打合せの相手がマジメな方であれば、マジメな印象のジャケットスーツやブラウススーツなど。ウィットに富んだオシャレを好む方であれば、ちょっと個性的なワンポイントをあしらうのもいいでしょう。基本は、相手の立場に立った服選びをすることです。このとき、流行や自分の好みは一度、忘れてください。おしゃれな服装が必ずしも相手に好印象を与えるとは限らないのが、ビジネスシーンの鉄則。年配の方であれば、いわゆる「ダサいファッション」が好印象を与える場合もあるのです。ビジネスで成功する戦術を練るためには、ファッション雑誌を見るよりもふだんから周囲の人を観察する目を養うほうが重要です。たとえば、私は仕事柄、インナー事業の方ともよくお会いしますがブラジャーなどのファウンデーションのデザイナーの方などは、レーシーなファッションを好まれているような気がします。つまり、ビジネスシーンにおいて、その人の職業がファッションに反映されているケースもあるわけです。そのへんをよく観察してみてください。コミュニケーションのヒントがきっと、みつかります。
 2回目からの面談の際は、ある程度ペーシングをしながら、少し相手をリードできるようなコーディネートができれば、ベスト。「このコーディネートをちょっと盗んでみたいな」と相手に思わせることで、自分に対する関心も持ってもらえるからです。たとえば、先述のレーシーなファションを好む方と会う際はインポートのレーシーなストッキングを履いていくなどのポイント使いでペーシングをするのも、いいかもしれません。相手に合わせたファッションをすることで、「ふだんからあなたのファッションに注目していますよ」というメッセージの発信にもなります。

 もし、あなたが営業ウーマンで1日に複数の人と会う必要がある場合、基本のコーディネートはシンプルにして、小物を変えて変化をつけてみては。ヘアアクセサリーやネックレス、ピアスぐらいなら鞄に入れておいてもそれほど邪魔にはなりません。口紅の色を変えるだけでも、清楚なイメージから明るくハキハキとしたイメージへと印象を変えることも可能です。ファッションで変化をつけることが難しい場合は、ペンや名刺入れなどステーショナリーを活用できるかもしれません。ビジネスで成功を勝ち取るためです。ちょっとした努力を惜しまないようにしましょう。