プレゼンテーションは、勝負服でパワーアップ!

プレゼンテーションは、勝負服でパワーアップを!
 ビジネスウーマンにとって「ここ一番!」の大舞台となるのが、プレゼンテーション。いままで取り組んできたプロジェクトの総まとめの機会であり、自分の能力を最大限に発揮したい場でもあります。そんなときに着る服は、やはりじぶん自身が一番輝く服でしょう。ビジネスウーマンたるものじぶんを最も引き立ててくれる勝負服を1着は持っていたいもの。私が最適だと思うのは、まずシャープで直線的なシルエット。スーツか、シャツ+スカートが基本。色味はベーシックであれば何でもいいのですが、信頼感を与える色としては紺や濃いめのグレー、もしくはグレイッシュな色になります。堅実なイメージを与える色ならダークカラーになります。注意しておきたいのは、グレイという色は実にいろいろなバリエーションがあるということ。そして肌の色と合うグレイは異なるということです。日本人の黄色味のある肌の色に合うグレイは、やはり黄味がかかったグレイと言われています。が、日本人でもピンクがかった白肌の人もいるので、ここは試着時によく確認しておきたいもの。肌が明るく見える色を選ぶようにしましょう。
 プレゼンで避けたい色は黒。とくに黒一色のスーツなどはおすすめしません。黒は冠婚葬祭のカラーであり、最近では就職活動のイメージも定着しているので、信頼感にはつながりにくい。また、後の章でも述べますが黒は心理的に「何かを隠したい色」にもなるので、自分のパワーを外に出すプレゼンには不向きといえます。
 スーツのシルエットですが、ほどよく体に合い、ほどよく体のラインが出ないものがいいでしょう。とくに女性用のスーツには、体にフィットしたセクシーなデザインのものもあるので、それはビジネスシーンでは避けるべき。ビジネスウーマンに求められるのはセクシーさではなく、嗜みなのです。
 サイズ合わせでは、まず肩幅と袖丈に気をつけたい。肩幅が合っていないと着こなしがだらしなく見えてしまいがちです。袖丈は長過ぎても短すぎても、不格好。プレゼンでは身振り手振りが大きくなったり、ボードのデータを指し示したり、手元に視線が集まりやすいので、とくに気にしたいものです。袖丈は手を降ろしたときに手首にかかるぐらいが、ベスト。ベーシックな着こなしではシャツのカフスを見せますが、シャツの袖口が少し見えるぐらいでもいいでしょう。女性の場合は胸元のサイズ合わせも重要。ジャケットの第一ボタンを留めたとき、左右にシワが寄ってしまうと上着が小さく見えて、胸元が強調されすぎてしまいます。バストが大きい方なら、第一ボタンが胸元より下にあるVゾーンが深めのデザインを選んでもいいでしょう。ウエストも同様にシワが寄らない程度のゆとりがあるデザインにしましょう。
 プレゼンテーションのロケーションが広い会議室か、狭い小部屋かによっても服選びは変わります。広い会議室であれば全身が見られてしまうので、全身コーディネートに気を配るべきでしょう。その際、ジャケットとボトムスのバランスに気をつけて。ジャケットの丈がヒップラインより上か下にくるようにコーディネートすることをおすすめします。というのも、ジャケットの裾がヒップラインのトップにくるとヒップが強調されてしまうのです。つまり、お尻が大きく見てしまう。若い方はヒップラインより短めのジャケットを、年配の方ならヒップを隠すぐらいの丈感のジャケットでもいいでしょう。
 プレゼンの場には、小物選びにも気を配りましょう。靴はできればヒールのあるパンプスを。全身のラインを美しく見せてくれますし、何よりヒールを履いたときの緊張感が内面にもいい影響を与えてくれます。ただ、あまり普段から履き慣れていないと立ち姿が不安定に見えることもあり、逆効果。できれば、ヒールを2〜3時間は履いていても大丈夫なくらい、予行練習はしておいて欲しいものです。あまり履き慣れすぎたヒールだと、靴のシルエットがくずれてしまっている場合もあるので、加減が必要ですが。
 全体のコーディネートの色数ですが、服は3色以内、アクセサリーなどの小物のメタルカラーやレザーカラーを含めても5色以内に抑えるようにしましょう。色を使い過ぎたコーディネートは洗練された着こなしになりにくいし、こどもっぽく見えてしまう可能性もあります。やはり、ここは基本に忠実に色数は抑えたほうが懸命。プレゼンの場では、あくまでプロジェクトの内容が主役ということを忘れずに。
 そして、最も主張したいことは、ビジネススーツには上質なウール素材のアイテムを選んで欲しいということ。上質なウールは美しいシルエットを作り、光沢にも品があります。また、変なシワができにくいのできれいな着こなしにもつながるからです。
 主に女性のスタイルについて述べてきたので、ここで男性の着こなしについても少し。男性の場合、ジャケットとシャツ襟とネクタイのバランスが重要です。とくにシャツ襟とネクタイの幅が合っているかどうかに、その人のセンスが表れているといっても大げさではありません。シャツもネクタイも一流のブランドで今年のトレンドものだから……といって安心して身につけては失敗のもと。シャツ襟の幅には、それに合うネクタイというのものが存在します。そして、やっかいなことにネクタイの幅はその年によって流行があり、毎年変わります。ブランドによっても異なるし、トラッドやモッズなどファッションテイストによっても異なります。ネクタイひとつをとっても、実にバリエーションは豊富なのです。シャツとネクタイ、それぞれを購入する際、必ずショップの店員に何を合わせるべきか、確認するようにしましょう。

 カラーコーディネートに関しては、ボトムスと靴下とシューズのカラーテイストを合わせるとスッキリ、スマートに見せることができます。そして、男性の場合、ネクタイの色も重要。アメリカでは、赤のネクタイを“パワータイ”と言い、大統領選の候補が好んで身につける色です。赤のネクタイは「若々しさ」「エネルギッシュさ」「説得力」などを演出してくれると言われているからです。あなたが若手〜中堅で、新しいプロジェクトを提案するプレゼンの場では、赤のネクタイを選ぶのもおすすめです。ただし、あまり派手な赤は日本人には主張が強すぎて好まれない場合もあります。日本人に比較的、似合う色はスイカカラーと言ってクリアな赤。もしくはオレンジぐらいにするのもいいでしょう。一方、継続的なプロジェクトのプレゼンなどでは、青色のネクタイのほうがいいかもしれません。青は鎮静の色なので、控えめで誠実な印象が演出できます。ちなみに謝罪の場などにもおすすめの色です。